最高裁判所第三小法廷 昭和27(オ)1106 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理 由
上告代理人弁護士石川勲蔵の上告理由は末尾添附の別紙記載のとおりであり、こ
れに対して当裁判所は次のように判断する。
上告理由第一点の(一)について。
たとえ原判決に、上告人Aの当事者適格の有無を看過した違法があるにしても、
研論の如くすでに同上告人が理事を辞任していたものとすれば、同上告人の理事の
職務の執行を停止する旨の仮処分命令は、その内容に適合した形成的効力を生じ得
ないわけであるから、特段の事情のない限り、同上告人は上告の利益を有しないも
のというべく、又Dが所論の如く理事に就任した事実があつても、同人に対する仮
処分の申請がない以上、原審が同人に対し何等判決するところのないのは当然であ
つて、論旨はすべて採るを得ない。
同第一点の(二)について。
私立学校の自主性を重んじ公共性を高めることによつて、その健全な発達を図る
ことを目的とする私立学校法制定の趣旨から考えると、学校法人設立当初の役員は、
学校法人設立後同法制定の趣旨に副う新役員及び新評議員の決定を俟つて新役員と
交替し、後者によつて学校法人の管理がなさるべきものであり、これがためには、
まず寄附行為所定の手続による新評議員の決定が必要であるとの趣意を以て、(財
団法人当時の理事会による、当時の評議員を学校法人の評議員と看做す決議は無効
であるとし)所論認可、もしくは評議員たる資格の有無にかかわらず、上告人A、
訴外E、F、Gの四名は、寄附行為所定の評議員選任手続を経ない事実からして、
学校法人の評議員でないとした原判決は正当であつて、論旨は理由がない。
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その余の論旨は「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」
(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同法
にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致で、主文のとお
り判決する。
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 井 上 登
裁判官 島 保
裁判官 河 村 又 介
裁判官 小 林 俊 三
裁判官 本 村 善 太 郎
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